3Dプリンタ尺八制作中!① 基本設計~プロトタイプ1試奏
3Dプリンタ尺八を制作しています!!!
プロトタイプ・バージョン1の制作環境
- Autocad Fusion360で設計
- DMM makeに発注・制作
- 素材はナイロン
- 内径・指孔位置は林さんの内径曲線を参考
- 歌口は手持ちの尺八から自分で設計
- 管に対して舌面20度、唇面10度。
- 歌口の巾は広め。深さは4mm。
ということで大学院で勉強したCADの知識をフルに生かして設計したのが上の3D図面になります。こちらをDMM makeに発注して約一週間後、、
キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!! (一番右です。)
輝くばかりの純白...これが自分の作り上げた尺八ッッ!!早速構えて息を入れて鳴らそうとすると...
鳴らねえ..._(꒪ཀ꒪」∠)_
内径曲線は林さんのものなので、鳴らない原因は歌口構造なはず。。
結局、ゴリゴリ削って歌口を作り上げると...
めっちゃ鳴るやん!!!!!d(゚∀゚)b
歌口に関する問題点は、
- 歌口の深さは4mmだったが、この舌面唇面の角度だと5mmが最適。
- 管の中心から歌口が離れすぎているため、息が全く管内に入っていなかった。
- 指孔の直線列に対して、歌口が右に曲がりすぎている。
実は歌口の設計は非常に迷ったところです。特に歌口裏側の曲線形状は通常竹の場合鳴りを確認しながら削るので全く数値化できないところでした。ここら辺の問題点はプロトタイプ・バージョン2に向けて設計を見直そうと思います。
鳴りが良くなったので次はピッチを確認。
音程に関する問題点は、
- 他音と比べたときの音の高低について、ロを基準として、
- ハとレが若干低い
- ツが低い
- オクターブについて、
- ハとチの甲が上ずりやすい
ちょっと実用で使うには厳しい音程のバラつきです。1孔2孔なんかは位置を上に上げる必要があって、実際邦星堂さんで出している3Dプリンタ尺八は指孔の位置はそういった感じですね。オクターブ感に関しては吹き方の問題で普通に吹けば問題ないです。テーパーを入れることでここら辺は消えると思いますがその分響きが変わってくるので、このままでもいいでしょう。
ということでここらへんもプロトタイプ・バージョン2では改善させたいと思います!
DMM makeのナイロン素材について、
- 重さは300gぐらい。かなり頑丈。
- ナイロンの密度が高い。竹と同じような設計だと重さも竹と同じぐらい。
- 邦星堂さんで出しているものより素材が詰まっている。
- やすりで削っても問題ない。
- 出力費用は1万6千円。
- 密度がある分、お高めです。。プロトタイプを作るだけでもなかなかします。
- 音もしっかりしている。
- プロでないと気づかないかもしれませんが、明らかに竹よりしっかりした音がします。以前泉州の金属尺八を吹いたときに「音がしっかり響いている」という印象を受けましたが、それに少しだけ近いです。
- やはり単一の素材で、高い密度の楽器は音の損失には有利。
ナイロンで耐久性が微妙そうだったらアクリルで最終出力というのを考えていましたが、十分に使えそうですね。価格が高い分、想像よりもかなり重厚です。
というわけで、試奏はこんな感じです。
— なんじゃら♨霞山Kazan (@nannja_15) 2021年10月10日
かなりしっかり音鳴ってません?ピッチはめちゃくちゃですが_(꒪ཀ꒪」∠)_
というわけで基本設計~プロトタイプ1の試奏まででした。今後さらなるパワーアップをしていきますので、ご期待ください!
それではまた!